ミルガウス
MILGAUSS
ロレックスで唯一、耐磁性に特化した機能を持つモデル、ミルガウス。
限られたユーザーに向けて開発されたが、時代のニーズにマッチせず、わずか2世代でその歴史に幕を下ろした。しかし、生産終了から約20年が経過した2007年、伝説のイナズマ針を備え見事復活を遂げる。
ブラックとホワイトダイヤルに加え、記念モデルがランナップされ、中でもロレックスで唯一グリーンサファイア風防を採用したアニバーサリーモデルは断トツの人気を誇っている。
また、1st、2ndモデルは、市場流通量が非常に少なく、現在ではコレクターズアイテムとして市場相場が高騰している。特にイナズマ針を持つファーストモデルは、日本のみならず、イタリアを中心とするヨーロッパやアメリカでも人気が高く、一時は1500万円オーバーという相場まで高騰した。そして、現在でもヴィンテージ・ロレックスの幻の逸品となっている。
型番一覧
現行モデル Ref.116400GV |
生産終了モデル Ref.116400 Ref.1019 Ref.6541 |
ミルガウスの歴史
1950年代初頭 |
実用時計にこだわるロレックスは、「耐磁性」というコンセプトのもと、医師や科学者などへ向けたプロフェッショナルモデルの開発を進めていた。 |
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1956年 |
1000ガウスもの磁気に耐える「ミルガウス」を発表。フランス語の1000(ミル)と磁束密度の単位(ガウス)がモデル名の由来である。 特殊な耐磁性能は、ムーブメントを軟鉄性インナーケースで覆うことと、ダイヤル面からの磁気の侵入を防ぐこと(ノンデイト仕様)により実現している。 |
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1970年 |
ミルガウスは欧州原子核研究機構にて性能の高さを示した。 |
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1988年 |
耐磁性能はユーザーが限られ、一般ユーザーのニーズにマッチせず、生産終了となった。 |
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2005年 |
磁界の影響を受け易いヒゲゼンマイの弱点を克服した、パラクロムヒゲゼンマイを独自開発。 |
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2007年 |
約20年の沈黙を破り、歴代モデルへのオマージュとも言うべきデザインと最新技術を投入した耐磁性能を備えて復活を果たす。 |
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2015年 |
Ref.116400のブラックダイヤルのみ生産終了となる。 |
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2016年 |
Ref.116400のホワイトダイヤルも生産終了となり、現行ミルガウスはグリーンサファイア風防を備えたRef.116400GVのみとなる。 |
ミルガウスの系譜
Ref.6541 |
製造期間:1956年~1958年 搭載ムーブメント:Cal.1065M、Cal.1066M、Cal.1080 防水性能:生活防水 磁力を表現したと言われるジグザグ形の秒針(通称:イナズマ針)を持つファーストモデル。回転ベゼルと固定式ベゼルの2種類がラインナップされる。ムーブメントは、ミルガウスのために開発された耐磁性に優れたCal.1065M、1066M、1080が搭載される。 |
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Ref.1019 |
製造期間:1964年~1988年 搭載ムーブメント:Cal.1580 防水性能:50m イナズマ針が廃止され、デザインが一新されたセカンドモデル。ダイヤルは、ブラックとシルバーの2色展開となったが、回転ベゼルは廃止となった。ムーブメントは、精度・耐久性を向上させたCal.1580が搭載される。 |
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Ref.116400 |
製造期間:2007年~2016年頃 搭載ムーブメント:Cal.3131 防水性能:100m 1stモデルのイナズマ針、2ndモデルのスタイルを継承し、進化を遂げ登場した3rdモデル。ケースは、40mmにサイズアップされ、ダイヤルはブラックとホワイトの2色がラインナップされる。専用ムーブメントは、最新技術の投入により1000ガウスの耐磁性を実現している。
黒文字盤は2015年頃に生産終了。 |
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Ref.116400GV |
製造期間:2007年~2023年 搭載ムーブメント:Cal.3131 防水性能:100m 唯一グリーンサファイアクリスタルを備えたアニバーサリーモデル。ムーブメントには、独自開発のパラクロム製ヒゲゼンマイを採用することで耐磁性を高め、さらに強磁性合金製シールドによって磁気を徹底的に遮断している。 |
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