IWC
アメリカの先進的な製造技術とスイスの伝統技術が融合したマニュファクチュール時計。
効率的、且つ完成度の高さを追及したIWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)は、その名の通り、世界で通用する高級腕時計メーカーとなっている。
IWCを語るうえで外せないのが、創業地であるシャフハウゼンとの関連である。シャフハウゼンは当時、船舶輸送が盛んだった時代、ラインフォール(ライン川へ注ぐ大きな滝)があるために、この場で積み荷を降ろさなければならず、その為に倉庫が設けられ、貿易の拠点へと発展する。これが、商業都市シャフハウゼンのはじまりとなる。そして、ラインの豊かな水資源は、電力を生み出し、機械産業を育む土台となり、IWC創業者2人を引き合わせることとなる。
1868年、シャフハウゼンの企業家(水力発電で富を築く)であったハインリッヒ・モーゼルは、アメリカ人時計職人のフロレンタイン・アリオスト・ジョーンズと出会い、会社を設立する。自動車加工機械による大量生産技術を身に付けていたフロレンタイン・アリオスト・ジョーンズは、このノウハウを腕時計製造へと活かし、今日のIWCの基盤を作ることとなる。
1936年、航空産業の発達が著しい時代に、多くのパイロットは飛行中に懐中時計を使用していました。同年にIWCが開発した初の「スペシャル・パイロット・ウォッチ」は、頑強な風防・回転ベゼルに耐磁性脱進機に加え、視認性に優れたコントラストの夜光性の針と数字を備えており、世界中のパイロットの憧れとなり、世界が認める腕時計への第一歩を踏み出す。
その後もIWCは技術部門ディレクター:アルバート・ペラトンによる、IWC初のペラトン式自動巻き機構を搭載するキャリバー85の設計。技術者クルト・クラウスのもと、永久カレンダー機構(2499年まで表示可能)など、独自の機構を開発していくと共に耐磁時計のインヂュニア、ダイバーズウォッチのアクアタイマーなど数々の人気シリーズを発表している。
また、人気シリーズを発表し続けることが出来ている背景には、一貫生産というIWC独自の生産体制が理由として挙げられる。IWCでは、チタニウムからゴールドに至るまで一貫生産されている為、時代のニーズやユーザーの要望に応えたシリーズを次々と発表することができ、更には機械式時計のウィークポイントに対する対応、改善に素早く着手することが出来ている。
企業理念である「クラフツマンシップ」をモットーに、使う喜びと将来に渡って変ることのない価値を備えた精密なタイムピースを作りたいという願いが込められており、これらの企業理念や技術を代々受け継ぐため、IWCでは時計職人スクールを設け、未来の技術者の育成に努めている。
創業: | 1868年 | |
創業者: | ハインリッヒ・モーゼル & フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズ | |
創業地: | シャフハウゼン(スイス) |
主なモデルラインナップ
・パイロットウォッチ(クラシック・UTC・スピットファイア) ・ポルトギーゼ ・インヂュニア ・アクアタイマー ・ダ・ヴィンチ ・コンパス・ウォッチ ・ポートフィノ ・GST ・GSTディープワン ・トップガン ・スピットファイア |
主な出来事
1868年 | インターナショナル・ウォッチ・カンパニー(International Watch Company)創設 | |
1885年 | 時・分針デジタル表示の世界初のポケットウォッチ(パルウェ―バー・システム)誕生 | |
1887年 | カブリオレ・ケース仕様24時間表示付きポケットウォッチ「マジック」を製作 | |
1915年 | キャリバー75、キャリバー76、IWC初の腕時計専用ムーブメントを発表 | |
1936年 | 回転ベゼル、耐磁ムーブ採用のIWC初となる「スペシャル・パイロット・ウォッチ」を発表 | |
1939年 | ポルトガルの時計商が懐中時計のムーブメントを使った腕時計をオーダーし「ポルトギーゼ」が誕生 | |
1940年 | センター秒針付きの腕時計、「ビッグパイロットウォッチ 52.T.S.C.」を開発する | |
1944年 | アルバート・ペラトンが技術部門のディレクターに就任。イギリス軍用の腕時計を発表。 | |
1946年 | アルバート・ペラトンがセンターセコンドの超高精度のムーブメント、キャリバー89を初めて設計 | |
1948年 | パイロットウォッチ「マーク11」を発表。キャリバー 89を搭載しウォッチケース内に優れた耐磁性の軟鉄製インナーケースを組み込む | |
1950年 | アルバート・ペラトンが、IWC初の自動巻き機構を搭載するキャリバー 85を設計。ペラトン式と呼ばれる従来の切り替えギアに代わる画期的な双方向巻き上げ機構。 | |
1955年 | 「インヂュニア」を発表 | |
1959年 | IWC初となるレディース用ムーブメント(自動巻き)、キャリバー44を開発 | |
1967年 | 20気圧防水の「アクアタイマー」と「ヨットクラブオートマティック」を発表 | |
1969年 | クォ―ツムブメント、「ベータ21」開発に取り組む。そのムーブメントを「ダ・ヴィンチ」に搭載。 | |
1976年 | 「インヂュニアSL」を発表。ジェラルド・ジェンタ氏がデザイン。 | |
1980年 | F.A.ポルシェデザインをベースとした世界初のチタニウム製ケースのクロノグラフを製作。 | |
1982年 | チタニウム製ダイバーズ・ウォッチ、200気圧防水の「オーシャン2000」を発表 | |
1985年 | 西暦を4桁表示する永久カレンダー機構搭載、世界初のクロノグラフ「ダ・ヴィンチ」を発表 | |
1987年 | IWC初のレクタンギュラーモデル「ノヴェチェント」を発表 | |
1989年 | 「インヂュニア・オートマティック500,000A/m」を発表 | |
1993年 | 創業125周年記念に限定125本「イル・デストリエロ・スカフージア」を発表 | |
1994年 | 「マークXII」を発表 | |
1997年 | ゴールド・ステンレス・チタンの3素材からなる「GST」シリーズを発表 | |
1998年 | 「パイロットウォッチ・UTC」を発表 | |
1999年 | 初の機械式潜水計を備える「GSTディープワン」を発表 | |
2000年 | リシュモングループに加わる。7日間パワーリザーブ並びにインジゲーター、ペラトン機構備えた「キャリバー5000」が完成。 | |
2002年 | 1940年に開発された「ビッグパイロットウォッチ」を復刻。「キャリバー5000シリーズ」を搭載。 | |
2003年 | パイロットウォッチシリーズに「スピットファイア」コレクションが加わる。 | |
2005年 | 生産終了となっていた「インヂュニア」復活 | |
2007年 | 50年間にわたってIWCで時計製作に取り組んだ技術者クルト・クラウス氏を称賛し「ダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー“クルト・クラウス”」を発表 | |
2009年 | 新型「アクアタイマー」発表。さらに「ダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト/マンス」も発表 | |
2011年 |
ポートフィノに新たにコレクションが加わる、IWC製キャリバー59210ムーブメントを搭載した「ポートフィノ・ハンドワインド・エイトデイズ」が発表 インヂュニアコレクションには、チタニウム製ケース、ラバー・ストラップ、スプリット・セコンド針を備える「インヂュニア・ダブルクロノグラフ・チタニウム」が新たに発表 |
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2012年 | 「トップガン」シリーズを発表 |
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